ヒューズ試験：I²t特性試験（エネルギー特性試験）
概要
I²t特性試験は、ヒューズが溶断するまでに吸収する電気エネルギー（ジュール熱）を評価する試験です。
過電流が流れた際に、ヒューズが回路を破損させず安全に遮断する能力を確認することが目的です。
試験の目的
・ヒューズが定格以上の電流で溶断する際に必要なエネルギー量を確認
・瞬間的なサージ電流や過渡電流に対する保護能力の検証
・回路設計での安全マージン算出（回路保護計算）
試験方法
1,試験用回路にヒューズを設置
2,溶断させたい電流条件を印加（定格電流・過電流）
3,ヒューズが溶断するまでの電流時間積分（I²t）を測定
4,複数ヒューズで繰り返し試験し、I²t特性を確認
対応する代表的な規格
| 規格番号 | 規格名称 |
|---|---|
| ISO 8820 | 自動車用電気ヒューズの安全規格 |
| JASO D610 | 車載用ヒューズの性能試験 |
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よくある質問(FAQ)
試験用回路の設計で注意すべき点は？
ヒューズが過剰に発熱しないよう、適切な負荷インダクタンスや配線インピーダンスを考慮します。
繰り返し試験による特性変化はありますか？
ヒューズは一度溶断すると再利用できませんが、同型ヒューズで複数回試験する場合、製造誤差や温度条件の違いによりI²t値にばらつきが出ることがあります。統計的に評価することが重要です。
試験中にヒューズが完全に溶断しない場合の原因は？
印加電流が低すぎる、回路インピーダンスが高すぎる、あるいはヒューズの熱特性が想定外の場合があります。
ヒューズ仕様に基づいた適正電流条件の設定が必要です。
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