リレー試験:絶縁抵抗(Insulation Resistance)
概要
絶縁抵抗試験は、リレー内部の接点間やコイルと接点間など、電気的に絶縁されている回路間に直流電圧を印加し、漏れ電流を測定して絶縁状態を数値的に評価する試験です。
この試験は、リレーが外部からの湿気・塵埃・経年劣化などによって絶縁性能が低下していないかを確認するために実施されます。絶縁抵抗が低下すると、わずかな電流が意図しない回路間に流れ込み、誤動作・電圧降下・ノイズ発生などの原因となることがあります。特に車載用途では、長期間の振動・温度変化・結露環境などにさらされるため、絶縁劣化は重大な信頼性リスクとなります。
試験では一般にDC500V程度の電圧を印加し、得られた電流値から絶縁抵抗値(MΩ単位)を算出します。
高い抵抗値を維持できることが、良好な絶縁状態を示します。
また、環境試験(高温高湿や温度サイクル)後に再測定することで、絶縁材の耐久性や吸湿影響の確認にも利用されます。これにより、リレーの長期信頼性や安全性を定量的に評価することができます。
試験の目的
・接点間およびコイル間の絶縁性能の確認
・高温・湿潤環境下での漏れ電流発生リスクの評価
・設計マージン確認および安全性・信頼性の担保

試験方法
1,試験リレーを所定環境に設置。
2,コイルと接点間、または接点間に規定電圧の直流電圧(DC 500V)印加。
3,漏れ電流を測定し、抵抗値(絶縁抵抗)を算出。
4,必要に応じて温度・湿度を変えて再測定し、使用環境下での評価を行う。

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
JIS C 5442 | 制御用小形電磁リレーの試験方法 |
IEC 61810 | 電磁式エレメンタリリレー |
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よくある質問(FAQ)
絶縁抵抗試験で使用する電圧はどのくらいですか?
車載リレー向けの標準的な試験では、DC500V程度を印加することが多いです。
製品仕様や用途に応じて、より低い電圧や高い電圧での測定も可能です。
環境条件の影響は評価できますか?
はい。
温湿度環境下での測定や高温・高湿条件後の再測定により、吸湿や経年劣化による絶縁抵抗低下を評価できます。
測定結果はどの単位で表されますか?
絶縁抵抗値は通常MΩ(メガオーム)で表されます。抵抗値が高いほど、絶縁性能が良好であることを示します。
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