ヒューズ試験:熱衝撃・温度衝撃試験(Thermal Shock Test)
概要
熱衝撃試験は、ヒューズを急激な温度変化に曝すことで、端子・素子・ケースの耐熱衝撃性や接触信頼性を評価する試験です。
車載環境では、エンジン起動時やヒーター・冷却系統による温度急変など、ヒューズに対して短時間で大きな温度変化が生じる場合があります。
急激な温度変化により、材料の膨張・収縮や熱応力が発生し、端子の緩み、素子のひび割れ、絶縁材の剥離などが起こることがあります。
ヒューズが短時間の温度変動下でも安全かつ安定して動作するかを確認し、長期信頼性と安全性を担保します。
試験の目的
・急激な温度変化によるヒューズ端子・素子・ケースの影響を評価する。
・熱応力による接触不良や絶縁破壊の発生リスクを確認する。
・車載環境での過酷条件下における長期信頼性の保証。

試験方法
1,ヒューズを温度制御チャンバーに設置し、高温側と低温側のチャンバー間で迅速に移動させるサイクルを繰り返す。
2,サイクル開始・終了後に導通状態、接触抵抗、絶縁抵抗などを測定。
3,外観検査を行い、端子の変形、素子のひび割れ、ケースの損傷がないか確認する。

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
ISO 8820 | 自動車用電気ヒューズの安全規格 |
JASO D610 | 車載用ヒューズの性能試験 |
試験条件例
・温度範囲:−40℃~+125℃(規格または仕様に準拠)
・サイクル数:10~50サイクル(仕様により設定)
・温度変化速度:20~30℃/分
・測定箇所:端子、素子、ケース
comqudaの強み
・30年以上の経験に基づく柔軟な試験提案
・標準規格準拠からカスタム条件まで対応
・不具合解析・コンサルティングも一体で提供可能
・他社試験機関のハンドリングも対応し、面倒な作業ごともワンストップでサポート
よくある質問(FAQ)
熱衝撃試験はなぜ必要ですか?
車載ヒューズは、エンジン始動時や暖房・冷却系統の動作で短時間に大きく温度が変化する環境下で使用されます。熱衝撃試験は、こうした急激な温度変化による端子や素子、ケースの損傷や接触不良を事前に評価し、信頼性を確認する目的で実施されます。
試験時に注意すべき点は?
試験ではヒューズだけでなく、端子や配線への応力も考慮する必要があります。
また、温度サイクルの前後で十分に測定・外観確認を行うことで、微細な損傷や接触不良の兆候を見逃さないことが重要です。
他の電子部品と組み合わせて使用する場合の留意点は?
ヒューズは接続される端子や周囲の部品の熱特性にも影響されます。熱衝撃試験では、単体だけでなく、実際の回路やハーネスに組み込んだ状態での評価を行うことで、より実運用に近い信頼性を確認できます。
受託・委託試験サービス
comquda(コンクーダ)ではサンプル組立から、耐久性試験や各種評価・測定項目の信頼性試験の
受託評価依頼、試験条件・試験方法のコンサルティングまでご対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
信頼性試験・評価のご相談・お見積り
信頼性評価でお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせ・ご依頼ください。
経験豊富な技術者がお客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。