車載コネクタの信頼性評価:大電流通電試験(EV・HEV向けの高電流系統)
概要
大電流通電試験は、電力系統を扱うコネクタや端子が安全に大電流を伝達できるかを評価する試験です。
EV(電動車)化の進展に伴い、車載コネクタには100Aを超える電流が流れるケースが急激に増加しています。
そのため、接触部での発熱や抵抗上昇を抑制し、長期的な信頼性を確保することが重要なテーマとなっています。
試験では、コネクタに定常的またはパルス状の電流を流し、温度上昇特性や接触抵抗変化、熱劣化挙動を確認します。
冷却性能を向上させるために、クーラント循環装置(チラー)やラジエーターを併用した評価も行われます。
近年では、EV・HEV向けの高電流系統で発熱を最小化することで許容電流を拡大する設計傾向があり、
熱マネジメントを考慮した評価が求められています。
試験の目的
・高電流通電時の温度上昇挙動を確認し、安全動作限界を評価する
・接触抵抗増加や発熱異常の有無を把握する
・熱劣化による導通性能・材料変化を解析する
・冷却機構(チラー・クーラント循環系)の効果を定量的に評価する
試験方法
1,試験準備
試験体コネクタを専用治具に固定し、接触部の温度を測定するために
熱電対を複数点に設置します。
2,通電条件設定
定常電流、パルス電流、または負荷変動を模擬した条件を設定します。
連続または断続通電を実施します。
3,温度測定・データ取得
通電中の各測定点温度をデータロガーで記録し、温度上昇を経時で
評価します。
4,冷却評価
チラーやクーラントを用いた循環冷却の有無で、熱伝導特性の差異を
比較します。

対応する代表的な規格
| 規格番号 | 規格名称 |
|---|---|
| USCAR-2 | 北米自動車産業向けコネクタ規格 |
| ISO 16750-2 / 3 | 車載電気系統過電流耐性 |
| IEC 60512-5-1 / 5-2 | 国際電気標準会議 |
| ー | 各自動車メーカー規格、Tier1独自規格 |
comqudaの特徴
・小電流~大電流(4000A程度)までのカスタム通電試験・サイクル試験対応
・試験中・試験後の電気特性(抵抗変動モニタ、温度モニタ等)通電試験を一括受託試験対応
・電気試験ストレス負荷後にそのまま電気特性評価が可能(一貫受託評価・ワンストップ受託評価・委託試験体制)
・OEM仕様に応じたサイクル回数・電流値・通電パターンのカスタマイズ可能
活用事例
・EV用充電コネクタの温度上昇試験
・バッテリーモジュール間コネクタの大電流評価
・高電圧リレー端子部の発熱解析
・チラー併用による温度制御試験の最適化検証
よくある質問(FAQ)
何アンペアまで評価可能ですか?
4000Aまで対応可能ですが、条件により検討いたします。
試験時間や電流値は変更できますか?
はい、OEMや車両条件に応じて電流値・通電時間・サイクル数を自由に設定可能です。
EV化に伴い、年々電流値が増えている傾向にあります。弊社では大電流での試験実施も対応しておりますので
お気軽にお問い合わせください。(4000A程度までであれば対応経験あります)
冷却装置を併用するのはなぜですか?
実車環境に近い熱伝達条件を再現するためです。クーラント流量や温度も調整可能です。
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