セレーションとは?~車載コネクタ・端子圧着部評価編~
概要
セレーションとは、端子や圧着スリーブ内部に形成された線上の溝や微細なギザギザ形状(鋸歯状の突起)
を指します。
この構造は、導体(電線)と金属端子の間の機械的かつ電気的な接触信頼性を高めるために設けられています。
一般的な圧着端子では3本の溝がある3本セレーションが多く使用されています。
A-A’断面と比較し、B-B’断面では端子内部に線上の溝があることによって、電線部分と圧着端子部に隙間があります。



役割と機能
| 項目 | 役割・目的 |
|---|---|
| 機械的保持力 | 電線導体に対して咬み込み、引張方向の抜け防止や振動下での緩み抑制。 |
| 電気的安定性 | 表面酸化膜を破壊し、金属同士の新生面接触を増やして低接触抵抗を維持。 |
| 耐振動性 | 細線や撚り線でも安定した接触を確保し、微小振動下での抵抗変動を防止。 |
評価・試験方法
セレーションに関する評価では、以下のような試験・観察が用いられます。
- 断面観察(樹脂包埋・研磨)
→ セレーションの咬み込み深さ、導体密着状態を確認。 - 引張試験(保持力測定)
→ 電線抜け力から機械的強度を評価。 - 接触抵抗測定
→ セレーションによる金属接触の電気的安定性を確認。 - 振動・温度サイクル試験後の再測定
→ 微振動や温度変化による緩み・摩耗影響を検証。
セレーションの不具合や不適切な形成
| 想定される不具合 | 主な原因 | 解析・確認手法 |
|---|---|---|
| 接触抵抗の上昇 | セレーション深さ不足、酸化皮膜残留 | 断面観察、接触抵抗測定 |
| 導体の切断・損傷 | セレーション過剰、圧着過大 | 断面研磨観察、引張試験 |
| 緩み・抜け | セレーション摩耗、圧着不足 | 引張強度測定、振動試験後評価 |
| 導体酸化進行 | 咬み込み不良、メッキ剥離 | SEM/EDS観察、表面分析 |
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よくある質問(FAQ)
セレーションはどのような目的で設けられているのですか?
セレーションは端子内部に形成された微細な溝で、導体と端子間の機械的保持力と電気的接触安定性を高めるために設けられています。特に振動下での緩み防止や低接触抵抗維持に効果があります。
セレーションの形状や深さによる性能の違いはありますか?
はい。深さ不足では電線の咬み込みが弱く、振動下での緩みや接触抵抗上昇の原因になります。逆に過剰な深さや圧着力は導体切断や端子損傷につながります。評価時は断面観察と引張試験で適正を確認します。
セレーションの摩耗や劣化はどう確認しますか?
長期使用や振動・温度サイクルで摩耗や接触不良が生じる場合があります。断面観察や接触抵抗測定、振動試験後の再測定で摩耗や導体の緩みを評価します。
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