トムソン効果とは? ~車載コネクタ信頼性試験編~
概要
トムソン効果とは、同一導体内に温度勾配がある状態で電流を流すと、電流の方向に応じて熱の吸収または発生が起こる現象です。
これはゼーベック効果やペルチェ効果と同じ熱電現象の一種で、同一材質内で生じる微小な発熱・吸熱として観察されます。
車載コネクタの信頼性試験においては、端子や圧着部に温度勾配があると、トムソン効果により局所的な温度変化が発生し、接触抵抗や通電特性に影響を与えることがあります。
特に高電流・長時間通電試験では、微小ながら端子接触部やハウジングの温度挙動を左右する要因となります。

試験上の影響・注意点

・接触抵抗測定への影響
温度勾配と電流が同時に作用すると、測定値に微小な変動が生じることが
あります。
・局所的な発熱・吸熱
端子の温度差による局所熱が接触部や樹脂ハウジングに影響を与える場合が
あります。
・温度上昇試験との関連
高精度な温度管理が必要であり、4端子法測定や温度モニタリングと組み合わせて評価することが重要です。
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よくある質問(FAQ)
トムソン効果はゼーベック効果やペルチェ効果とどう違いますか?
ゼーベック効果やペルチェ効果は異なる材質間や接合部で熱・電流が相互作用する現象ですが、トムソン効果は同一導体内で温度勾配がある場合に発生する微小な発熱・吸熱現象です。単一材料内で起こる点が特徴です。
試験時にどのような影響が考えられますか?
主に以下の影響が考えられます:
温度管理の重要性:高精度の温度モニタリングや4端子法測定と組み合わせることで、トムソン効果による誤差を
最小化できます。
接触抵抗測定への微小変動:温度勾配と電流が同時に作用することで、測定値がわずかに変動する可能性があり
ます。
局所的な温度変化:端子やハウジングの一部で発熱・吸熱が生じ、熱膨張や樹脂の挙動に影響を与える場合があり
ます。
お問い合わせ
comquda(コンクーダ)ではサンプル組立から、耐久性試験や各種評価・測定項目の信頼性試験の
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【 参考:コネクタ評価サービス
(メインページ) 】
電気的性能試験:抵抗測定、絶縁抵抗、耐電圧測定、リーク電流、瞬断測定、シールド性能
機械的性能試験:外観確認、コネクタ挿入力/離脱力/保持力、端子挿入/保持力、ロック解除力、シール性
耐久試験 :高/低温放置、サーマルショック、耐湿試験、温湿度サイクル、塩水噴霧、腐食サイクル(CCT)
高圧洗浄、振動試験、複合環境試験、ランダム振動試験、カレントサイクル、過電流通電試験
耐候性試験、耐油/耐薬品性試験、熱衝撃試験、衝撃試験 など
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