収縮チューブ(Heat Shrink Tube)
― 車載配線における役割・特性・評価の考え方 ―
最終更新日:2026年2月19日
概要
収縮チューブは、加熱により径が収縮する熱収縮性樹脂チューブで、電線・端子・圧着部の絶縁保護、補強、防水、防振を目的として使用されます。
車載電装分野では、圧着部の保護や配線束の補強として多用されており、適切な材料選定と評価が信頼性確保の観点で重要となります。
収縮チューブの主な役割
圧着部・はんだ部の絶縁保護
振動による素線折損の抑制(応力緩和)
防湿・防水(接着剤付きチューブ)
配線外観の均一化・識別

車載用途で用いられる主な材料
| 材料 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ポリオレフィン | 汎用、柔軟性良好 | 一般配線保護 |
| フッ素樹脂(PTFE等) | 耐熱・耐薬品性 | 高温部位 |
| シリコーン | 高柔軟・耐寒性 | 可動部 |
| 接着剤付きタイプ | 防水・耐振動 | エンジンルーム周辺 |
収縮比と選定の考え方
・収縮比(2:1、3:1、4:1)は施工性と保持力に影響
・初期径は配線外径より十分大きく、収縮後は隙間なく密着することが重要
・過度な収縮力は、圧着部への応力集中を招く場合あり
想定される不具合事例
・加熱不足による未収縮・浮き
・過熱による樹脂劣化・硬化
・振動環境下でのクラック発生
・油脂・薬品曝露による膨潤・硬化
よくある質問(FAQ)
Q1. 収縮チューブは圧着不良の対策になりますか?
一定の補強効果はありますが、圧着不良そのものを是正するものではありません。圧着品質が不十分な状態で収縮チューブを被せると、不具合を覆い隠すリスクがあります。
Q2. 接着剤付き収縮チューブは防水性能に優れていますか?
優れていますが、施工条件に依存します。
加熱不足や位置ずれがあると、十分な防水性が得られない場合があります。
Q3. エンジンルーム内で使用する際の注意点は何ですか?
耐熱温度、耐油性、耐振動性の確認が必須です。
ポリオレフィンでは性能不足となる場合があり、材料選定が重要です。
Q4. 収縮比が大きいほど良いのでしょうか?
一概には言えません。
収縮比が大きいほど施工性は向上しますが、収縮力が強くなり、圧着部や素線への応力集中を招く可能性があります。
Q5. 振動試験で収縮チューブが割れる原因は何ですか?
樹脂の硬化、低温脆化、過度な収縮応力、曲げ応力の集中などが主な原因です。
材料特性と施工条件の両面確認が必要です。
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