車載コネクタの信頼性評価:衝撃試験(振動試験機・落下衝撃機)
概要
衝撃試験は、車載コネクタが使用中に受ける瞬間的な衝撃に対する耐性を評価する試験です。
落下や突発的な振動、運転時の衝撃を想定し、コネクタの接続信頼性や端子・ハウジングの破損の有無を確認します。
衝撃試験は大きく以下の試験機で実施します。
・落下衝撃試験機:テーブルにサンプルを設置し、テーブルを自由落下によるものや、ガスを使用し加速させる
装置があります。1方向づつの衝撃になるので治具が6方向にサンプルが取りつく仕様である必要があります。
・振動試験機:導電式の振動試験機を使用し、衝撃試験を行います。落下衝撃試験とは異なり、+(プラス)方向、
-(マイナス)方向に実施が可能なのでXYZの3方向分取り付けられる治具あれば6方向実施可能です。
試験の目的
・輸送や組立時の衝撃による物理的損傷の検出
・使用中に発生する瞬間的衝撃による接触不良の防止
・製品設計段階での耐衝撃性評価と改善提案
試験方法
1.試料を振動試験機に固定
2.試験条件に応じて振動タイプを設定
・波形の種類、衝撃方向、強度、回数を規定。
3.所定時間または回数で振動を印加
必要に応じて瞬断モニタ、抵抗変動モニタを実施
4.試験後、外観観察・接触抵抗・絶縁抵抗・耐電圧などを測定

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
JASO D014 | 日本自動車規格 |
USCAR-2 | 北米自動車産業向けコネクタ規格 |
IEC 60068-2-27 | 国際電気標準会議 |
ー | 各自動車メーカー規格、Tier1独自規格 |
comqudaの特徴
・試験中・試験後の電気特性(抵抗変動モニタ、瞬断測定等)通電試験を一括受託試験対応
・振動負荷後にそのまま電気特性評価が可能(一貫受託評価・ワンストップ受託試験体制)
・振動条件に合わせた振動治具の設計・製作が可能
・面倒な配線作業もおまかせ可能
活用事例
◦ECUコネクタ、ハーネス端子の耐衝撃性確認
◦シャシー周辺コネクタの接触不良再現試験
◦EV/HEV高電圧コネクタの長期振動信頼性評価
◦不具合解析における振動起因の故障原因特定
よくある質問(FAQ)
衝撃試験と落下試験は同じですか?
落下試験は衝撃試験の一種であり、衝撃の種類のひとつです。
衝撃試験は、瞬間的な強い力を加えて、機械的な耐久性や、外部応力に対する端子接続部を評価する試験です。
落下試験は、コネクタを実装した基板や機器が、想定される高さから落下した際の衝撃に耐え、導通が維持されるかを評価します。
試験後に接触抵抗が変化した場合は?
試験後にコネクタの接触抵抗が変化した場合、それは接触不良の兆候である可能性があります。
主な原因は、衝撃や振動による端子の物理的な変形や摩耗、または酸化などの化学的変化による表面の劣化です。
これらの損傷が接触面を不安定にし、電気的な接続が不安定になるため、抵抗値が変動します。
試験後の評価は?
試験後の評価は、外観検査と電気特性評価の二つの観点から行います。
まず、外観検査では、衝撃や落下によるコネクタのひび割れ、変形、摩耗など、
物理的損傷がないか確認します。次に、電気特性評価では、試験前
と比較して、接触抵抗に変化がないかを測定します。

衝撃試験のご相談・お見積り
車載コネクタの信頼性評価でお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせ・ご依頼ください。
経験豊富な技術者がお客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。