車載コネクタの信頼性評価:温湿度サイクル試験
概要
温湿度サイクル試験は、コネクタを高温高湿環境と低温環境を繰り返す条件にさらし、結露や吸湿・乾燥による絶縁劣化・腐食・クラック発生を確認する試験です。
実車環境では、昼夜の温度差や雨・結露・エンジンルーム内の温湿度変動など、温度と湿度が組み合わさった厳しい条件にさらされるため、その模擬として実施されます。
試験の目的
・温度変化と湿度変化の組み合わせによる結露リスク評価
・繰返し吸湿・乾燥による絶縁抵抗低下の確認
・端子の腐食・酸化・メッキ劣化の把握
・長期使用時の電気的・機械的特性の安定性検証
試験方法
1.恒温恒湿槽にて温度と湿度を変化させるサイクル条件を設定
例:-40℃ → +85℃/85%RH → 常温乾燥 → -40℃ …を繰返し
2.サイクル数を規定(一般的に数十〜数百サイクル)
3.サイクル終了後、外観観察・絶縁抵抗・耐電圧・接触抵抗を評価
4.必要に応じて試験中にインターバル測定を実施

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
USCAR-2 | 北米自動車産業向けコネクタ規格 |
JASO D616 | 日本自動車規格 |
IEC 60068-2-38 | 国際電気標準会議 |
ー | 各自動車メーカー規格、Tier1独自規格 |
comqudaの特徴
・高温・低温・高湿を組み合わせた複雑な温湿度プロファイル対応が可能
・試験中・試験後の電気特性(リーク電流・絶縁抵抗)通電試験を一括受託試験対応
・湿度負荷後にそのまま電気特性評価が可能(一貫評価・ワンストップ受託試験・委託試験体制)
・腐食や絶縁不良が発生した際の原因解析サポート
活用事例
◦EV充電コネクタの結露・リークリスク検証
◦車室外設置コネクタの温湿度環境信頼性評価
◦メッキ材質変更時の耐腐食性比較試験
◦不具合解析での結露再現評価
よくある質問(FAQ)
サーマルショック試験との違いは?
サーマルショックは「温度変化のみ」で湿度は加えません。温湿度サイクルは湿度を加えるため、結露・腐食リスク評価に特化しています。
どのくらいのサイクル数で評価しますか?
一般的には10〜100サイクル程度ですが、用途によっては数百サイクル以上行う場合もあります。
温湿度サイクル試験後にどの特性を確認しますか?
主に絶縁抵抗・耐電圧を測定します。外観や腐食の有無も重要です。

温湿度サイクル試験のご相談・お見積り
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