車載コネクタの信頼性評価:温度上昇試験
概要
温度上昇試験は、コネクタに規定電流を通電し、端子接触部や導体部に発生する発熱を測定する通電試験です。
接触抵抗が大きいと発熱が増大し、コネクタ樹脂の劣化・溶融や周辺部品への影響を招きます。
EV化に伴い、車載コネクタには従来よりも高電流・高電圧条件での使用が求められるようになりました。
これにより、わずかな接触抵抗の増加が大きな温度上昇につながり、部品寿命や信頼性に直結するリスクが高まっています。そのため、温度上昇試験は従来以上に重要性を増しており、厳格な評価と監視が不可欠となっています。
試験の目的
・定格電流通電時の発熱特性の確認
・接触抵抗上昇による異常発熱の検出
・長期使用や環境試験後の導通性能評価
・規格や顧客要求仕様への適合性確認
試験方法
1.試験コネクタに規定電流を通電
2.温度上昇を熱電対またはサーモグラフィーで測定
3.周囲温度との差分(ΔT)を算出
4.規格値または社内基準と比較して判定
※一般的には ΔTが50K以内が多く用いられます。

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
USCAR-2 | 北米自動車産業向けコネクタ規格 |
JASO D616 | 日本自動車規格 |
IEC 60512-5-1 | 国際電気標準会議 |
ー | 各自動車メーカー規格、Tier1独自規格 |
comqudaの特徴
・サーモグラフィーと熱電対の併用による高精度測定
・振動・温湿度などの耐久試験との複合受託評価・委託試験が可能
・30年以上の経験を活かした、サンプル組立から不具合解析・改善提案まで一連トータル対応
・大電流の幅広い電流レンジ・様々な通電試験プログラムの受託試験対応可能
活用事例
◦新規コネクタ開発時の定格電流検証
◦高電流対応製品の発熱安全性評価
◦長期耐久試験後の接触抵抗劣化の確認
◦不具合解析(異常発熱の原因特定)
よくある質問(FAQ)
どのくらいの電流で試験しますか?
通常は定格電流、または規格で規定された値で評価します。開発段階では安全マージンをみて定格以上の電流で
試験することもあります。
測定方法は熱電対とサーモグラフィーのどちらですか?
両方対応可能です。局所的な温度上昇は熱電対、全体の温度分布はサーモグラフィーで確認するのが効果的です。
短納期対応は可能ですか?
はい、条件確定後数日単位での評価も可能です。

温度上昇試験のご相談・お見積り
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