車載コネクタの信頼性評価:サーマルショック試験(冷熱衝撃試験)
概要
サーマルショック試験は、コネクタを高温環境と低温環境に急激に切り替えることを繰り返し、
温度変化による熱応力の影響を評価する試験です。
樹脂・金属・シール材などの熱膨張率の差によって、クラック・接触不良・シール劣化が発生することがあり、
実車環境(冬季走行後にエンジンルーム加熱、急速充電時の急冷など)を模擬するために不可欠な試験です。
試験の目的
・急激な温度変化に対する機械的健全性評価
・接触抵抗・絶縁抵抗の経時変化確認
・材料間の熱膨張差による応力劣化の把握
・長期使用時のクラック・剥離・漏洩リスク検証
試験方法
1.高温槽(例:+125℃)と低温槽(例:-40℃)を用意
2.試料を交互に搬送(エレベーター式)または気流切替(ダンパー式)で
急激に温度変化を与える
3.高温保持時間・低温保持時間を設定(例:各30分)
4.所定サイクル(数百〜数千)繰り返し後に外観・電気特性を評価

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
USCAR-2 | 北米自動車産業向けコネクタ規格 |
JASO D616 | 日本自動車規格 |
IEC 60068-2-14 | 国際電気標準会議 |
ー | 各自動車メーカー規格、Tier1独自規格 |
comqudaの特徴
・試験中の電気特性(抵抗変動モニタ・絶縁抵抗)通電試験も一括受託試験・委託試験対応
・環境負荷後にそのまま電気特性評価が可能(一貫受託評価・ワンストップ受託試験体制)
・サンプル組立からクラックや樹脂劣化についての解析サポートも提供
・長期加速評価やOEM規格カスタム条件にも柔軟対応
活用事例
◦EV/HEV用高電圧コネクタの熱応力耐久性確認
◦エンジンルーム搭載コネクタの熱サイクル評価
◦絶縁シール材の長期信頼性検証
◦不具合解析(クラック・リーク電流の原因調査)
よくある質問(FAQ)
サーマルショックと温度サイクル試験の違いは?
サーマルショックは「急激な温度切替」で短時間に応力を与える試験、温度サイクルは「緩やかな温度変化」を
繰り返す試験です。目的は似ていますが、ストレスのかかり方が異なります。
サイクル数はどのくらいですか?
一般的には数百〜1000サイクル程度ですが、規格や顧客要求により数千サイクルの試験も行われます。
電気特性の測定は試験中でも可能ですか?
はい、インターバル測定や連続モニタリング方式で実施可能です。

サーマルショック試験(冷熱衝撃試験)のご相談・お見積り
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