車載ECUの信頼性評価:I/O短絡試験
概要
I/O短絡試験は、ECU(電子制御ユニット)の入出力端子(Input/Output)が電源ライン(VBAT)、グランド(GND)、他の端子に誤って短絡した場合に、破損や誤動作が発生しないかを評価する試験です。組付け時の
接触不良、配線ミス、外的要因による短絡を模擬するもので、実使用上の信頼性評価として必須の項目です。
試験の目的
・ECUの端子短絡時の耐性確認(破損や機能喪失の防止)
・ECU内部回路の保護素子(抵抗・ヒューズ・保護IC等)の有効性評価
・誤接続時でも安全に復帰可能であることの検証
・OEM規格や顧客要求仕様への適合確認
試験方法
1.ECUのI/O端子を意図的に短絡させる(VBAT・GND・隣接端子など)
短絡電圧:12V系 → 13.5V、24V系 → 27V
短絡時間:1秒~1時間(規格や要求仕様による)
短絡の種類:I/O ⇔ VBAT、I/O ⇔ GND、I/O ⇔ 他I/O端子
2.試験中および終了後に、機能動作・通信・出力特性を確認

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
ISO 16750-2 | 自動車電気電子部品の電気的負荷試験 |
LV124 | 自動車電子部品の環境試験 |
JASO D001 / D014 | 日本自動車規格 |
ー | OEM規格国内・海外含むカーメーカーの独自要求) |
comqudaの特徴
・ECUの回路設計段階からの短絡リスク評価を提案可能
・短絡試験と過電圧試験・逆接続試験を組み合わせた包括的な受託評価に対応
・ECU用途や端子仕様に応じた最適な試験シナリオ設定
活用事例
◦車載センサーECUの信号端子短絡試験による誤動作確認
◦EV用制御ユニットのI/O短絡時の安全性検証
◦OEM規格に基づく端子別短絡評価と復帰性確認
よくある質問(FAQ)
I/O短絡試験はすべての端子で行いますか?
規格や顧客要求により異なりますが、通常は代表端子または全I/O端子が対象です。
同一回路パターンであれば省略することも可能です。
短絡後にECUが再起動すれば問題ありませんか?
多くのOEM規格では「破損や恒久的機能停止がないこと」が基準で、
一時的な誤動作は許容される場合もあります。

I/O短絡試験のご相談・お見積り
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