車載ECUの信頼性評価:過渡電圧試験
概要
過渡電圧試験は、車両の電源ラインに発生する突発的な電圧変動(トランジェント)がECU(電子制御ユニット)へ与える影響を確認する試験です。実車ではリレーの開閉、モーターのON/OFF、インダクタ負荷の遮断、負荷変動などによって過渡的なサージ電圧が発生します。これらに対する耐性評価はECU設計の信頼性確保に必須です。
試験の目的
・ECUが電源ラインの過渡電圧で誤動作や破損をしないことを確認
・保護回路(TVSダイオード、フィルタ、サプレッサ)の有効性検証
・EMC規格およびOEM規格への適合確認
・実使用環境でのリセット/通信停止など市場不具合の防止
試験方法
1.パルス発生装置を用いてECU電源ラインに過渡電圧を注入
ISO7637-2やOEM独自規格など
2.試験中は通電状態で、通信・信号出力・機能動作を監視

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
ISO 7637-2 | 自動車電源系統における過渡電圧試験 |
LV124 | 自動車電子部品の環境試験 |
JASO D001 / D014 | 日本自動車規格 |
ー | OEM規格国内・海外含むカーメーカーの独自要求) |
comqudaの特徴
・ECU仕様に合わせたパルス条件の最適化提案が可能
・ISO規格/OEM規格をカバーした幅広い評価対応を提供
・過渡電圧試験と電源変動・ESD試験を組み合わせ、包括的に受託対応いたします
活用事例
◦エンジン制御ECUのリレー開閉による過渡電圧耐性評価
◦EVパワーユニットECUのモーター駆動ON/OFFによるサージ試験
◦OEM要求に基づいたパルス1~3bの包括評価
よくある質問(FAQ)
過渡電圧試験と過電圧試験の違いは?
過電圧試験は持続的な電圧上昇、過渡電圧試験は瞬間的なパルス(サージ)を評価します。
どのくらいの電圧が印加されますか?
数十V~数百V(規格に準拠)、条件によっては数kVまで想定されます。
試験で不適合だった場合は?
保護素子の強化、フィルタ設計改善、グランド設計見直しなどが必要になります。

過渡電圧試験のご相談・お見積り
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