リレー試験:絶縁耐圧(Dielectric Withstand Voltage)
概要
絶縁耐圧試験は、リレー内部の接点間、およびコイルと接点間に高電圧を印加し、絶縁破壊や異常電流の発生がないかを確認する試験です。
リレー内部では、コイル駆動電圧(制御回路側)と接点電圧(負荷側)に大きな電位差が存在するため、絶縁性能が不十分な場合にはリーク電流、スパーク、絶縁材の劣化などが発生し、誤作動や焼損、最悪の場合には回路破壊や火災の原因となることがあります。
本試験では、定格電圧を大きく上回る高電圧(ACまたはDC)を一定時間印加し、絶縁系統の健全性を確認します。これにより、設計段階でのマージン確認や、量産品の品質保証、長期使用時の安全性評価などに活用されます。
また、車載リレーの場合は、温度変化や湿度、塵埃、振動など過酷な環境にさらされるため、環境試験と組み合わせた絶縁耐圧評価が行われることも多く、信頼性確保のための重要な試験項目です。
試験の目的
・コイルと接点間、接点間の絶縁破壊耐性の確認
・過電圧・環境変化時の安全性・信頼性評価
・設計マージン確認および車載使用におけるリスク低減

試験方法
1,リレーを所定環境に設置。
2,コイルと接点間、または接点間に規定電圧(ACまたはDC)を一定時間印加。
3,絶縁破壊(リーク、スパーク、接点異常)が発生しないことを確認。
4,必要に応じて温度・湿度を変化させて環境依存性も評価。

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
JIS C 5442 | 制御用小形電磁リレーの試験方法 |
IEC 61810 | 電磁式エレメンタリリレー |
comqudaの強み
・30年以上の経験に基づく柔軟な試験提案
・標準規格準拠からカスタム条件まで対応
・不具合解析・コンサルティングも一体で提供可能
・他社試験機関のハンドリングも対応し、面倒な作業ごともワンストップでサポート
よくある質問(FAQ)
ACとDCの試験はどちらが必要ですか?
接続先回路や用途により異なります。一般的には交流(AC)での絶縁耐圧試験が標準ですが、直流(DC)環境で使用される場合はDC試験も実施します。
試験時間はどのくらいが標準ですか?
規格によって異なりますが、一般的には1分〜5分程度が多いです。カスタム試験では、長時間印加による絶縁劣化や漏れ電流変化を確認する場合があります。
試験条件のカスタマイズは可能ですか?
はい。車載用途や特殊環境に応じて、印加電圧、試験時間、温湿度条件などをカスタマイズ可能です。
既存規格条件との比較評価も行えます。
受託・委託試験サービス
comquda(コンクーダ)ではサンプル組立から、耐久性試験や各種評価・測定項目の信頼性試験の
受託評価依頼、試験条件・試験方法のコンサルティングまでご対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
信頼性試験・評価のご相談・お見積り
信頼性評価でお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせ・ご依頼ください。
経験豊富な技術者がお客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。