ヒューズ試験:絶縁抵抗(Insulation Resistance Test)
概要
絶縁抵抗試験は、ヒューズの端子間や素子と外装ケース間に直流電圧を印加して漏れ電流を測定し、絶縁状態を定量的に評価する試験です。
ヒューズは回路保護部品であると同時に、接触部分や外装との絶縁が確保されていることが重要です。絶縁抵抗が低下すると、リーク電流や短絡、誤作動の原因となるほか、最悪の場合には火災など安全性上のリスクが高まります。
この試験により、ヒューズ材料(端子、素子、ケース)の絶縁特性や製造品質の安定性を確認できます。特に車載用途では、温湿度変化や振動により絶縁劣化が発生しやすいため、環境ストレス後の再評価も重要です。
試験の目的
・ヒューズ端子間や素子・ケース間の絶縁健全性を確認する。
・製造品質や絶縁材料の安定性を評価する。
・車載環境下での長期信頼性を担保するためのデータ取得。

試験方法
1,絶縁抵抗値(MΩ単位)を測定
2,規定値(例:100 MΩ以上)を下回らないことを確認
3,繰り返し通電や環境試験後の抵抗変化を追跡

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
ISO 8820 | 自動車用電気ヒューズの安全規格 |
JASO D610 | 車載用ヒューズの性能試験 |
試験条件例
・印加電圧:DC500V(規格または仕様に準拠)
・測定時間:1分〜5分
・周囲温度:23 ± 5 ℃
・測定箇所:端子間、素子とケース間
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よくある質問(FAQ)
車載用途のヒューズは環境負荷により絶縁が劣化しますか?
はい。高温・高湿、振動、塩水や化学薬品などの影響で絶縁抵抗が低下することがあります。
そのため、環境ストレス後の再評価も重要です。
絶縁抵抗試験の測定時間や電圧はどのように設定すべきですか?
一般的にはDC500Vを印加し、1〜5分間測定します。
ただし、使用環境や規格に応じて電圧・時間を調整することが推奨されます。
ヒューズ絶縁抵抗試験で評価できる具体的な不具合は何ですか?
ヒューズ内部や端子・ケース間の絶縁低下によるリーク電流、短絡、接点誤作動などを定量的に把握できます。
早期に問題を検出することで、回路の安全性向上や火災リスク低減に寄与します。
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