リレー試験:温度上昇試験(Temperature Rise Test)
概要
温度上昇試験は、リレーに定格電流または試験電流を通電し、通電によって生じる内部発熱の影響を評価する試験です。
リレーの接点部、コイル部、端子部などは、抵抗損失(I²R損)によって温度上昇を生じます。
過度な温度上昇は、接点の劣化、コイル絶縁の損傷、樹脂部材の変形、絶縁性能低下を引き起こすおそれがあります。
本試験では、電流経路内の発熱分布や熱伝導特性を把握することで、構造設計や材質選定の妥当性を検証します。
また、長期信頼性の観点からは、温度上昇が繰り返し動作や環境ストレス下でも安定しているかを確認することが重要です。
そのため、温度上昇試験は設計初期段階から量産品質保証まで、幅広い工程で実施される基本評価項目です。
試験の目的
・定格通電時の各部温度上昇を確認し、許容温度内での動作を保証する。
・接点やコイルなど、熱影響を受けやすい箇所の設計妥当性を検証する。
・絶縁材料や樹脂部品が熱的ストレスに耐えられるか評価する。

試験方法
1,熱電対または赤外線カメラによる温度測定
2,温度上昇値 = 測定温度 − 周囲温度
3,各部の温度上昇が規定値(例:+30K以下)以内であることを確認

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
JIS C 5442 | 制御用小形電磁リレーの試験方法 |
IEC 61810 | 電磁式エレメンタリリレー |
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よくある質問(FAQ)
赤外線カメラと熱電対ではどちらが適していますか?
赤外線カメラは表面温度分布を可視化でき、複数部位の同時観察に適します。
熱電対は接点内部やコイル内部など局所温度の精密測定に向いており、用途に応じて使い分けます。
温度上昇が規定値を超えた場合、どのような対策が考えられますか?
コイル線径の変更、端子・接点材質の見直し、樹脂部品の耐熱性向上、放熱経路の改善などが一般的です。
必要に応じて冷却設計や通電条件の最適化も検討されます。
標準規格に準拠していない試験条件でも実施可能ですか?
はい。用途や設計要件に応じてカスタム条件の設定が可能です。
規格値に加え、実際の使用環境を再現したシナリオ評価も提供できます。
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