スイッチの接触抵抗評価・測定
スイッチの接触抵抗は、接点の電気的な接触状態を確認するための重要な評価項目の一つです。
接触抵抗は製品や測定条件によって異なるため、単に抵抗値を測定するだけではなく、
「何を確認したいのか」に合わせて測定条件や評価方法を考えることが重要です。
comqudaでは、スイッチの接触抵抗測定だけでなく、
耐久試験前後での変化確認や、製品の目的に合わせた評価方法・試験条件についてもご相談いただけます。

測定方法
測定条件
判定・基準
耐久前後の変化
スイッチの接触抵抗とは
接触抵抗とは、スイッチの接点が閉じた状態で電流が流れる経路に生じる電気抵抗です。
接点同士の接触部分だけではなく、端子や可動片など、回路を構成する導体の抵抗も含めて評価されます。
接点同士は接触していても、接点表面の状態や接触圧などによって電気的な接触状態は変化します。
また、接点表面の酸化・硫化や汚れなどによって電流が流れにくくなり、
接触抵抗が増加する場合があります。
接触抵抗が大きくなったり不安定になったりすると、
電圧降下や発熱、信号の不安定化などにつながる可能性があります。
そのため、スイッチの電気的な接触状態を確認する指標として接触抵抗が測定されます。

なぜスイッチの接触抵抗を測定するのか
接触抵抗測定では、スイッチがONになったときに、
接点間で安定した電気的接触が得られているかを確認します。
製品の初期状態だけでなく、繰り返し操作や環境負荷を与えた後の接触抵抗を測定することで、
使用や試験によって接触状態がどのように変化したかを確認できます。
例えば、次のような評価で接触抵抗を確認します。
製品初期状態での接触抵抗確認
開閉耐久試験前後での接触抵抗比較
温度・湿度などの環境試験前後での変化確認
接触状態が不安定な製品の原因調査
製品仕様・要求値に対する適合確認
スイッチの接触抵抗の測定方法|電圧降下法・四端子法
スイッチの接触抵抗を測定する方法の一つに、
接点に電流を流し、接点間に発生する電圧降下から抵抗値を求める
電圧降下法があります。
基本的にはオームの法則を用いて、
測定した電圧と電流から接触抵抗を算出します。
接点に電流を流す
電圧降下を測定
電圧・電流を確認
接触抵抗を算出
接触抵抗
接点間の電圧降下
測定電流
接触抵抗のような小さな抵抗値を測定する場合、
測定リードや配線などの抵抗が測定結果に影響することがあります。
四端子法(4線式測定)
その影響を抑えるために、
電流を流す端子と電圧を測定する端子を分ける
四端子法(4線式測定)が用いられることがあります。

ただし、実際の測定方法は対象となるスイッチの仕様や要求規格、
評価目的などに合わせて設定する必要があります。
接触抵抗を測定するときの電圧・電流条件
スイッチの接触抵抗を評価するときは、
抵抗値だけでなく、測定時の電圧や電流などの条件も重要です。
例えば、DC5V・1Aで接点間の電圧降下を測定する方法が用いられる場合がありますが、
すべてのスイッチを同じ条件で測定するわけではありません。
微小負荷用のスイッチなどでは、
より小さな電圧・電流条件で接触抵抗が規定されている場合もあります。
POINT
そのため、異なる製品の接触抵抗値を比較したり、
測定結果を判定したりするときには、
「何mΩだったか」だけではなく「どのような測定条件で得られた値なのか」
を確認することが重要です。
製品仕様、要求仕様、使用条件などを確認したうえで、
評価目的に合った測定条件を設定します。
スイッチの接触抵抗は何mΩなら正常なのか
スイッチの接触抵抗は何mΩなら正常?
A
すべての製品に共通する一律の正常値や基準値があるわけではありません。
スイッチの接触抵抗には、
すべての製品に共通する一律の正常値や基準値があるわけではありません。
スイッチの種類、接点構造、接点材料、用途、測定電圧・測定電流などによって、
メーカーや製品仕様で規定される接触抵抗値は異なります。
また、製品仕様に記載されている接触抵抗値が
「初期値」として規定されている場合もあります。
その場合、耐久試験や環境試験を実施した後には、
初期状態とは異なる判定値が設定されることもあります。
対象製品の仕様
要求値
測定条件
評価タイミング
したがって、接触抵抗を評価するときは、
単純に「○mΩ以下なら正常」と判断するのではなく、
対象製品の仕様・要求値・測定条件・評価タイミング
を合わせて確認することが重要です。
接触抵抗が増加・不安定になる主な要因
スイッチの接触抵抗は、
接点の状態や使用環境、繰り返し操作などによって変化することがあります。
接触抵抗が増加したり不安定になったりする要因として、
例えば次のようなものが考えられます。
酸化・硫化
接点表面の酸化・硫化
汚れ・異物
接点表面への汚れや異物の付着
摩耗
繰り返し操作による接点の摩耗
接触圧
接点に加わる接触圧の変化
環境条件
温度・湿度などの環境条件
経時変化
使用時間や繰り返し操作による経時変化

ただし、接触抵抗が変化する原因は一つとは限りません。
POINT
接触抵抗に異常が確認された場合には、
抵抗値だけを見るのではなく、
「どのような負荷や条件を与えた後に、どのように変化したのか」
を整理しながら原因を確認することが重要です。
耐久試験前後で接触抵抗の変化を確認する
スイッチの接触抵抗評価では、
初期状態の抵抗値だけでなく、
繰り返し操作後の接触抵抗の変化を確認することも重要です。
例えば、開閉耐久試験と組み合わせる場合には、
次のような流れで評価します。
初期測定
試験前の接触抵抗を測定する
耐久試験
規定回数の開閉耐久試験を実施する
再測定
耐久試験後に再度接触抵抗を測定する
比較
試験前後の抵抗値や変化量を比較する
これにより、繰り返し操作によって
接点の電気的な接触状態がどのように変化したかを確認できます。
また、評価目的によっては、
温度・湿度・振動などの環境負荷と組み合わせ、
負荷を与える前後で接触抵抗を比較する方法も考えられます。
POINT
重要なのは、単に耐久試験を実施することではなく、
何を確認するための耐久試験なのかを明確にしたうえで、
試験前後の接触抵抗を評価すること
です。
接触抵抗と操作力・ストロークなどを組み合わせた評価
スイッチの状態を確認するためには、
接触抵抗だけでは十分に判断できない場合があります。
スイッチの構造によっては、
操作力、ストローク、作動位置、接点に加わる力などの機械的な特性が、
接点同士の接触状態に関係する場合があります。
接点に加わる力や接触位置が変化すると、
接点同士の接触状態も変化するため、接触抵抗に影響する場合があります。
そのため、接触抵抗の変化が確認された場合には、
評価目的に応じて次のような特性と組み合わせて確認します。
複数の特性を組み合わせて評価することで、
「接触抵抗が変化した」という結果だけではなく、
操作力やストローク、作動位置などの変化と接触抵抗の変化を合わせて確認し、
その変化がどのような特性や試験条件と関係しているのかを
検討しやすくなります。
comqudaのスイッチ接触抵抗評価
comqudaでは、スイッチの接触抵抗測定をはじめ、
目的に応じた各種評価試験についてご相談いただけます。
すでに試験条件が決まっている場合はもちろん、
次のような段階からでもご相談いただけます。
評価方法・試験条件が決まっていない段階でもご相談ください
スイッチの接触抵抗評価について、
測定条件や評価方法が決まっていない場合でもご相談いただけます。
対象製品、確認したい内容、現在困っていることなどをお聞きしながら、
必要な評価方法や試験の進め方を整理します。