車載コネクタの信頼性評価:シールド性能試験
概要
シールド性能試験は、コネクタやハーネスに施されたシールド構造(編組シールド、箔テープ、金属シェルなど)が、外来電磁波を遮蔽し、また内部信号の不要な放射を抑制できるかを評価する試験です。
車載システムでは、自動運転・ADAS・EVインバータ・充電系統などで電磁両立性(EMC)の確保が極めて重要で
あり、シールド効果の定量評価が求められています。
試験の目的
・コネクタおよびハーネスの外来電磁ノイズ耐性の検証
・車載通信(CAN、Ethernet、LVDSなど)の信号品質維持
・高電圧系統(EV/HEV)の放射ノイズ抑制性能の確認
・EMC規格・OEM要求仕様への適合確認
試験方法
1.シールド測定用ネットワークアナライザ(VNA)、
リバブレーションチャンバーなどを使用
2.代表的な試験サンプル
・コネクタ単体のシールド性能評価
・ハーネス付きアセンブリのシールド効果評価
・高周波通信ライン(車載Ethernet、LVDS)に対する伝送特性評価
3.代表的な測定項目
・シールド効果(SE値, dB):外部ノイズを遮断する能力
・伝導イミュニティ:外来ノイズ印加時の誤動作有無
・放射エミッション:内部信号による外部ノイズ放射量
・周波数依存性評価(例:10 kHz ~ 6 GHzの範囲で測定)

comqudaの特徴
・10 kHz ~ 6 GHz以上の広帯域評価に対応
・TEMセル、GTEMセル、電波暗室を活用し多様な試験要求に対応可能
・コネクタ単体からハーネス付きモジュールまで一貫受託評価・委託試験が可能
・振動・温湿度・腐食試験後のシールド劣化評価(複合信頼性試験)の受託試験可能
活用事例
◦車載Ethernetコネクタのシールド性能検証
◦EV/HEV用高圧コネクタのノイズ放射抑制評価
◦ADASレーダー・カメラ用高速信号ラインの通信品質保証
◦市場不具合(ノイズ干渉による通信エラー)の原因解析
よくある質問(FAQ)
シールド効果はどの程度必要ですか?
用途により異なりますが、車載通信ラインでは 40~80 dB程度のシールド性能が求められるケースが一般的です。
コネクタ単体とハーネス付きでは評価内容が変わりますか?
はい。単体では純粋なシールド効果を確認できますが、ハーネス付きでは組付け状態や端末処理の影響を含めた実使用環境での評価が可能です。
EMC試験とシールド性能試験はどう違うのですか?
EMC試験は完成品レベルでの適合確認、一方シールド性能試験は部品レベルでの性能評価です。
開発段階では両方を組み合わせて使います。

シールド性能試験のご相談・お見積り
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