電線の選定ガイド ~車載コネクタ信頼性試験編~
電線とは?
電線とは、電気を伝えるために使う線材です。
大きく分けて、導体(電気を通す部分)と絶縁体(電気を遮断する部分)で構成されています。
コネクタの信頼性試験での電線の用途としては、サンプルへの通電経路になる為の電源線、サンプルからデータを取得するためのモニタ線、サンプルの温度測定をするための熱電対などがあり、耐久条件や試験条件に応じて適切な電線を選ぶことが重要です。
最悪の場合、電線の選定ミスが要因での発煙・発火になりますので繋がっていればなんでも良い、などとは思わないようにしましょう。
電線の種類と構造

電線は、導体と絶縁体の組み合わせによって様々な種類があります。
・導体の材質: 主に銅やアルミニウムが使われます。
・導体の形状: 単線(一本の太い線)と
より線(複数の細い線を束ねたもの)があります。
・絶縁体の材質: ビニルやポリエチレン、ゴム、テフロンなどが使われ、
それぞれの耐熱性や耐候性が異なります。
許容電流とは?
電線には、安全に流すことができる最大の電流値「許容電流」が定められています。
許容電流を超える電流が流れると、電線が発熱し、絶縁体が溶けたり、火災につながる危険があります。
許容電流は以下の要素によって変わります。
・導体の種類と太さ
・周囲の温度
・配線の方法
安全性を確保するため、機器の定格電流値に合わせて適切な許容電流を持つ電線を選びましょう。
電線の耐熱温度
電線は、許容電流が流れた際に発生する熱に耐えられるように作られています。これを耐熱温度といいます。
耐熱温度を超えると、絶縁体の性能が劣化し、ショートや感電の危険性が高まります。
電線の絶縁体の種類と一般的な耐熱温度は以下の通りです。
| 絶縁体の種類 | 耐熱温度 |
| ビニル(PVC) | 60℃ |
| ポリエチレン(PE) | 60℃ |
| 架橋ポリエチレン(XLPE) | 90℃ |
| ゴム(EM) | 90℃ |
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よくある質問(FAQ)
車載コネクタ試験で使用する電線の選定で注意すべきポイントは?
電線の導体材質・断面積・絶縁体材質・耐熱性を、試験条件や通電電流に応じて適切に選ぶことが重要です。
誤った選定は発熱や絶縁破壊の原因となります。
単線とより線、どちらを選ぶべきですか?
振動や屈曲が少ない場合は単線でもいいが、柔軟性や繰り返し曲げに強い必要がある場合はより線を使用します。
車載評価試験では振動条件や配線ルートを考慮して選定します。
電線の許容電流を確認する理由は?
許容電流を超える通電は発熱の原因となり、絶縁体損傷や発火につながります。試験条件に応じて、機器定格電流より十分余裕のある電線を選定することが必須です。
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