車載コネクタの信頼性評価:繰り返し挿抜試験(挿抜耐久)
概要
繰り返し挿抜試験(挿抜耐久試験)は、コネクタを規定回数繰り返し挿入・抜去することで、長期使用時の接触信頼性や機械的耐久性を評価する試験です。自動車コネクタは車両の開発・整備・使用環境の中で繰り返し操作されるため、端子接触部やハウジング部に摩耗や損傷が発生しないかを事前に確認することが不可欠です。
この試験は、長期間の使用を模擬する重要な耐久評価です。
充電ガンや車載100V用コネクタ、USBコネクタなどの用途によっては何千回~何万回もの挿抜試験を実施することもあります。
試験の目的
・接触抵抗の安定性確認
挿抜の繰り返しによる端子接触部の摩耗・酸化皮膜形成の影響を確認
・保持力・挿入力の変化確認
ハウジングやロック機構の摩耗・変形を評価
・外観変化の観察
端子や樹脂部に亀裂・摩耗・剥離がないかをチェック
試験方法の例
・試験条件設定
規定回数(例:10回、30回、50回、100回以上)
必要な場合、挿入力・抜去力の測定
・繰り返し操作
専用の挿抜装置または手動による一定速度での操作
・測定項目
所定回数後の接触抵抗
挿入力・抜去力の変化
外観異常(摩耗、クラック、変形)

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
USCAR-2 | 北米自動車産業向けコネクタ規格 |
JASO D 616 | 日本自動車技術会 |
ー | 各自動車メーカー規格、Tier1独自規格 |
comqudaの特徴
・試験後の電気特性(抵抗変動モニタ、瞬断測定等)通電試験を一括受託試験対応
・負荷後にそのまま電気特性評価が可能(一貫受託評価・ワンストップ受託試験・委託試験体制)
よくある質問(FAQ)
挿抜回数の目安はどのくらいですか?
用途や規格により異なります。充電ガンや車載USBコネクタでは数千回、車両コネクタでは数万回まで実施することもあります。回数は長期使用環境を模擬して決定します。
試験中に挿抜力の変化も確認できますか?
可能です。挿入力・抜去力の測定を併用することで、端子摩耗やロック機構の劣化を数値として把握できます。
試験と電気特性評価を同時に行うことはできますか?
可能です。試験中や試験後にそのまま抵抗変動モニタや測定などを行い、一貫して信頼性評価を受託できる体制があります。

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