端子圧着部評価:サーマルショック試験(冷熱衝撃試験)
概要
サーマルショック試験(冷熱衝撃試験)は、急激な温度変化による熱応力が端子圧着部や接続部に与える影響を
評価する試験です。
車載用コネクタやワイヤーハーネスは、エンジン始動直後や冬季走行時など、‐40℃から+125℃以上といった
急峻な温度差環境に繰り返し曝されます。
この試験では、圧着部や端子・電線界面、樹脂被覆、メッキ層に発生する熱膨張差・収縮応力・界面疲労などを
再現し、導通安定性や機械的健全性を確認することを目的とします。
試験の目的
・金属圧着部・はんだ部の膨張収縮によるクラック
・応力緩和の有無を確認
・メッキ層や酸化皮膜の剥離・界面抵抗増加を検出
・絶縁体や樹脂モールド部の熱応力による亀裂・剥離を確認
・長期的な温度変化耐久性、接触抵抗変化の安定性を評価

試験条件例
項目 | 一般的な条件例(車載部品の場合) |
---|---|
温度範囲 | -40℃ ⇔ +125℃(または -55℃ ⇔ +150℃) |
保持時間 | 各温度で30分~1時間保持 |
サイクル数 | 10~1000サイクル(製品要求に応じ設定) |
試験雰囲気 | 空気中 |
対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
USCAR-21 | 北米自動車産業向けコネクタ規格 |
ー | 各自動車メーカー規格、Tier1独自規格 |
comqudaの特徴
・試験中の電気特性(抵抗変動モニタ・絶縁抵抗)通電試験も一括受託試験・委託試験対応
・環境負荷後にそのまま電気特性評価が可能(一貫受託評価・ワンストップ受託試験体制)
・サンプル組立からクラックや樹脂劣化についての解析サポートも提供
・長期加速評価やOEM規格カスタム条件にも柔軟対応
活用事例
・金属部と樹脂部の熱膨張率差により、長期サイクル後に微細クラックが発生することがある。
・クラックや剥離は、接触抵抗上昇や通電不良の初期兆候となる場合がある。
・圧着条件(圧縮率・かしめ形状)や端子材質の違いが、耐サイクル性に大きく影響する。
よくある質問(FAQ)
サーマルショックと温度サイクル試験の違いは?
サーマルショックは「急激な温度切替」で短時間に応力を与える試験、温度サイクルは「緩やかな温度変化」を
繰り返す試験です。目的は似ていますが、ストレスのかかり方が異なります。
サイクル数はどのくらいですか?
一般的には数百〜1000サイクル程度ですが、規格や顧客要求により数千サイクルの試験も行われます。
電気特性の測定は試験中でも可能ですか?
はい、インターバル測定や連続モニタリング方式で実施可能です。

サーマルショック試験(冷熱衝撃試験)のご相談・お見積り
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