フレッティングコロージョンとは? ~車載コネクタ信頼性試験編~
概要
フレッティングコロージョン(微小摩耗腐食)とは、接触面で微小な振動や往復運動が繰り返されることで、接触部の酸化や摩耗が進行する現象を指します。車載コネクタの端子接触部では、車両振動や熱膨張による微小な相対運動が
原因で、端子表面が擦れ、金属酸化膜や摩耗粉が生成されます。
この現象は、接触抵抗の増大や電気的信頼性低下の原因となるため、信頼性評価では重要な確認項目となります。
発生メカニズム

・微小摩擦の繰り返し
コネクタ端子や圧着部が微小に動くことで、表面の酸化膜が破壊される。
・酸化・摩耗粉の生成
破壊された酸化膜や金属粉が接触面に残り、局所的な抵抗増加・発熱を招く。
・接触不良の進行
微小電流で摩耗粉が酸化し、さらに接触抵抗が上昇。
最悪の場合、断続的な通電や故障に至ることもある。
車載コネクタ信頼性試験での評価
・微摺動摩耗試験・振動試験・耐久挿抜試験
実車の振動環境や挿抜繰り返しにより、フレッティングコロージョンの影響を再現。
・接触抵抗測定
振動前後・挿抜前後の抵抗値変化を確認し、接触不良リスクを評価。
・SEMや断面観察
端子表面の酸化膜破壊や摩耗粉の生成を観察して、発生メカニズムを解析。
代表的な対策
・端子材質・表面処理の最適化
金メッキやニッケルめっきで酸化を防止し、摩耗耐性を向上。
・接触圧(接触荷重)の適正化
微小振動でも安定した接触を維持できる圧力設計。
・端子構造の工夫
スプリング性のある端子や接触面形状の改善で摩耗や振動影響を低減。
・接点グリスの活用
使用材料、環境、用途に考慮する必要があるが、接点グリスの使用で摩耗低減、酸化抑制の効果がある。
まとめ
フレッティングコロージョンは、車載コネクタ端子の接触信頼性に直結する微小摩耗・酸化現象です。
振動や挿抜などの物理的ストレスを含めた評価を行い、端子材質・圧着部・設計構造の適正化によって、信頼性向上が可能となります。
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よくある質問(FAQ)
フレッティングコロージョンはどのような条件で発生しますか?
車載コネクタでは、車両振動や熱膨張による微小な相対運動が主な原因です。
特に端子間の接触が繰り返し微小に擦れる状況で酸化膜の破壊や摩耗粉の生成が進みます。
接触抵抗が増加する原因は何ですか?
微小摩擦で破壊された酸化膜や生成した摩耗粉が接触面に残り、局所的に電流が集中することで抵抗が上昇します。結果として発熱や断続的な通電のリスクが高まります。
接触圧(接触荷重)の影響はありますか?
適正な接触圧を設計することで、微小振動があっても端子が安定して接触でき、フレッティングコロージョンの発生を抑制できます。
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