無風室・無風環境とは? ~車載コネクタ信頼性試験編~
概要
無風室・無風環境とは、空気の流れがほとんどなく、外部の風や対流の影響を受けない静止空気状態を意図的に作り出した環境のことです。
自動車部品の信頼性評価や材料試験では、風による熱拡散や蒸発、温度ムラの影響を避け、正確な条件下での測定や試験を行うために利用されます。
用途・目的
・温度上昇試験や熱伝導評価で、空気流による冷却効果を排除する。
・表面温度測定や熱電対・サーモグラフィ測定の精度向上。
・装置内部や部品表面の均一な環境条件の維持。
・発煙状態の確認。

関連試験例
・車載コネクタの温度上昇試験・過電流試験
・ヒューズやリレーの通電による発熱評価・溶断特性
・リレーの動作試験
基準例
風速: 0.2 m/s 以下
目的: 試験対象物への風の影響を排除し、正確な温度・湿度条件下での評価を行うため
試験中に風による熱伝達や湿度変化が試験結果に影響を与えないようにするために設けられています。
よくある質問(FAQ)
無風室でも微小な対流は起きますか?
完全な静止空気状態は理論上のみで、実際には試験対象の発熱や機器の影響で局所的な微小対流が発生することがあります。そのため温度測定時は複数点で測定し、最大値や平均値を評価することが推奨されます。
無風環境下で発煙観察を行う際の注意点は?
煙が滞留しやすく、局所的に濃度が高くなる場合があります。
煙検知や換気を適切に設計し、安全面に配慮しながら観察・記録することが重要です。
なぜ風速0.2 m/s以下が基準になるのですか?
風による強制対流が発生すると、試験対象物の温度上昇や湿度条件が変化し、正確な評価が困難になるためです。
0.2 m/s以下は、通常の自然対流の範囲内で測定結果に大きな影響を与えないとされる基準値です。
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