防水コネクタ・非防水コネクタとは? ~車載コネクタ信頼性試験編~
概要
コネクタは使用環境に応じて「防水タイプ」と「非防水タイプ」に大別されます。
車載分野では、車外・エンジンルーム・床下などの過酷環境では防水コネクタが使用され、
車室内やECU内などの比較的穏やかな環境では非防水コネクタが採用されます。
両者は形状やサイズだけでなく、シール構造・通気性・耐久試験項目にも明確な違いがあります。
防水コネクタ(Waterproof Connector)
構造的特徴

・ゴム栓(ワイヤーシール)やパッキンによる密閉構造
・端子部・ハウジング合わせ面にシールリングを配置
・排水経路(ドレイン構造)や二重ロック機構を備えることも多い
用途例
・エンジンルーム
・床下、外装照明系、ドアミラー、センサー部
・高温多湿・水濡れ環境での使用箇所
評価試験
・防水性確認(浸水試験、耐水圧試験、耐湿試験)
・塵埃環境下での防塵・防滴性試験(IP67/IP69K相当)
・温湿度サイクル試験、塩水噴霧試験、耐薬品性試験など
非防水コネクタ(Non-Waterproof Connector)
構造的特徴

・シール部材を持たない開放構造
・小型・軽量・安価で挿抜が容易
・放熱・通気性に優れる(熱集中が起きにくい)
用途例
・車室内(インパネ裏、シート下、ECU内部)
・密閉筐体内の基板間接続や信号ライン
評価試験
・通電試験や接触抵抗試験など、電気的信頼性中心
・挿抜耐久試験、振動試験、温度サイクル試験
比較一覧
| 項目 | 防水コネクタ | 非防水コネクタ |
|---|---|---|
| 主な使用環境 | 車外・エンジンルーム・床下 | 車室内・筐体内部 |
| 構造 | シール付き密閉構造 | 開放構造(シールなし) |
| 主な材質 | 耐熱・耐候・耐薬品性樹脂 | 汎用樹脂(小型・軽量) |
| 主な試験 | 耐水圧・耐湿・防塵・塩害 | 振動・温度サイクル・通電 |
| メンテナンス性 | やや低い(防水構造のため) | 高い(挿抜容易) |
まとめ
防水コネクタは外部環境からの侵入を防ぐことで高い信頼性を確保しますが、構造が複雑でコスト・サイズが増す傾向があります。
一方、非防水コネクタは簡素な構造で軽量・小型化が可能なため、電装モジュール内部など密閉された空間での信号伝送に適しています。
使用環境や要求信頼性に応じて、適切なコネクタタイプを選定することが車載設計における重要なポイントです。
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よくある質問(FAQ)
非防水コネクタを車外で使用できますか?
非防水コネクタはシール構造を持たないため、直接水や湿気にさらされる環境での使用は推奨されません。
屋外での使用が必要な場合は、防水タイプへの変更や防水ケース内での実装が必要です。
防水と非防水で価格差はどのくらいありますか?
防水コネクタはシール部材や構造が複雑なため、非防水コネクタに比べて一般的に高価です。
用途や信頼性要求に応じて適切なタイプを選定することがコスト最適化のポイントです。
防水コネクタと非防水コネクタを混在させる場合の注意点は?
在環境では、非防水コネクタが水や湿気にさらされないよう配置や保護を工夫する必要があります。
必要に応じて防水ケースやシーリング材の追加も検討します。
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