ジャンクションボックス(J/B)とは? ~車載J/Bの種類と特徴~
概要
車載ジャンクションボックスは、自動車内の電気・電子システムを効率的に管理するための配電ユニットです。
各種リレーやヒューズ、コネクタが集約されており、車両全体の「電気の中枢」として機能します。
イメージとしては、家庭の分電盤に近く、電源を適切に分配しながら回路を保護する役割を担います。

主な役割
・電源の分配
バッテリーや発電機から供給される電力を、エンジン制御ユニット、照明、モータ、センサーなど各システムに分配。
・保護機能
過電流が発生した際にはヒューズが遮断し、システムや配線の損傷を防止。
・制御機能
リレーを介して大電流回路のON/OFF制御。近年は半導体スイッチ化も進み、さらなる省スペース化や高信頼化実現。
ジャンクションボックスの構成部品
- ヒューズ(Fuses)
役割:過電流が流れた際に回路を遮断し、配線や機器の損傷を防止。
特徴:ガラス管型、ブレード型など形状や定格電流に応じた種類が存在。 - リレー(Relays)
役割:低電流信号で大電流回路をON/OFF制御。
特徴:機械式リレーのほか、近年は半導体リレー(ソリッドステートリレー)で省スペース・高信頼化。 - コネクタ(Connectors)
役割:ジャンクションボックスとハーネスや各電子部品を接続する通信・電力の入口・出口。
特徴:高電流・高信号密度に対応。耐振動・耐熱設計が施される。 - プリント基板(PCB / Printed Circuit Board)
役割:ヒューズやリレー、コネクタを電気的に接続する基盤。
特徴:多層基板化によりコンパクト化・高信頼化。信号線や電源線を分離し、ノイズ耐性を向上。 - ケース・カバー(Housing & Cover)
役割:内部部品の保護、防水・防塵性能の確保。
特徴:耐熱・耐衝撃材料を使用。IP規格(防水・防塵)に対応。 - 端子・接続ピン(Terminals / Pins)
役割:コネクタ内で導通を確保し、ハーネスとPCBを接続。
特徴:高電流対応や耐腐食設計が施される。端子保持力や接触抵抗も評価対象。 - 制御・保護素子(Optional: Diodes, FETs, ICs)
役割:逆流防止や過電圧保護、電子制御を補助。
特徴:高精度制御や信号安定化を実現。近年はパワー半導体を搭載したスマートジャンクションも増加。
特徴
・高電流対応設計(EV/HEV車両では特に重要)
・熱対策・冷却設計(発熱部品の集中配置による影響を抑制)
・コンパクト化・軽量化(車両レイアウトに合わせた形状設計)
・耐振動・耐環境性能(エンジンルーム内配置にも対応)
よくある質問(FAQ)
車載ジャンクションボックスはどこに設置されていますか?
一般的にはエンジンルーム内、運転席下やダッシュボード付近に配置されます。
配置場所は車両設計や回路分岐の効率性、熱・振動条件を考慮して決定されます。
ジャンクションボックスとヒューズボックスは同じですか?
完全には同じではありません。ヒューズボックスは過電流保護が主目的ですが、ジャンクションボックスはヒューズ・リレー・電子制御素子を統合し、電源分配と制御を兼ねる「総合配電ユニット」として機能します。
J/B評価試験で重視すべき項目は何ですか?
主に以下の項目が重要です:
・過電流通電試験(ヒューズ・リレーの動作確認)
・温度上昇試験(熱集中部の安全性確認)
・振動・衝撃試験(端子保持力や接触信頼性確認)
・電気特性試験(抵抗、絶縁、耐電圧、リーク電流)
信頼性評価の重要性
車載ジャンクションボックスは、電源管理と安全性確保の要であり、コネクタやハーネスと同様に高い信頼性が求められる部品です。当社ではジャンクションボックスに対する電子負荷装置を使用した過電流試験、温度上昇試験などをメインに多様な信頼性評価もご対応可能です。
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