熱電対とは?
概要
熱電対(Thermocouple)は、異なる2種類の金属線を接続し、その接点に温度差が生じたときに発生する熱起電力(ゼーベック効果)を利用して温度を測定するセンサです。シンプルな構造ながら広い温度範囲で使用できるため、工業分野や研究用途で最も広く使われる温度計測手段の一つです。
特徴

・広い測定範囲:およそ -200℃~1,800℃まで対応可能(金属の種類による)。
・応答性が速い:細径の熱電対は温度変化を素早く検出可能。
・耐久性:高温環境や振動条件下でも比較的安定して使用可能。
・コスト性:構造が単純で安価に製造できる。
主な種類
K熱電対(クロメル-アルメル):汎用性が高く、-200℃~1,200℃程度を測定可能。
T熱電対(銅-コンスタンタン):低温領域で高精度。
J熱電対(鉄-コンスタンタン):比較的安価だが酸化環境で寿命が短い。
車載コネクタ信頼性試験における利用例
車載コネクタは通電や環境変化により発熱することがあります。
このため、以下のような場面で熱電対が用いられます。
- 温度上昇試験
規定電流を流した際の端子接触部や導体部の温度上昇を熱電対で直接測定。 - 高温放置試験・温湿度サイクル試験
試験槽内の温度分布確認や、実際の試料表面温度の追従評価。 - 異常発熱の検出
接触抵抗上昇や部分的な劣化により局所的に発熱する箇所を確認。
注意点
・接触部の熱容量や固定方法で誤差が出やすい。
・測定対象にしっかり密着させる工夫(耐熱テープやスポット溶接など)が精度確保に不可欠。
comqudaの強み
・30年以上の経験に基づく柔軟な試験提案
・標準規格準拠からカスタム条件まで対応
・不具合解析・コンサルティングも一体で提供可能
・他社試験機関のハンドリングも対応し、面倒な作業ごともワンストップでサポート
よくある質問(FAQ)
車載試験で熱電対を使用するメリットは何ですか?
温度上昇試験や温湿度サイクル試験で、端子・導体部の局所温度をリアルタイムで把握可能です。
異常発熱や局所劣化の早期検出にも有効で、部品寿命の予測や冷却設計の評価にも役立ちます。
熱電対の取り付け位置はどうやって決めるべきですか?
発熱が予想される端子や導体部、接触抵抗が高くなりやすい箇所を優先します。
複数箇所を測定する場合は、最大発熱箇所と温度分布の把握を両立させるように配置すると効率的です。
熱電対で異常発熱箇所を見つける場合のポイントは?
観察箇所を事前にリスク評価し、接触不良や局所抵抗上昇が疑われる箇所に優先的に設置します。
温度変化の急激な箇所や周囲との温度差が大きい箇所が異常発熱の候補です。
お問い合わせ
comquda(コンクーダ)ではサンプル組立から、耐久性試験や各種評価・測定項目の信頼性試験の
受託評価依頼、試験条件・試験方法のコンサルティングまでご対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
関連コンテンツ
コネクタ評価
温度上昇試験
複合環境試験
信頼性試験・評価のご相談・お見積り
車載コネクタの信頼性評価でお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせ・ご依頼ください。
経験豊富な技術者がお客様のニーズに合わせた最適な受託試験のご提案いたします。