ヒューズ試験:耐電圧(Dielectric Withstand Voltage Test)
概要
耐電圧試験は、ヒューズの端子間や素子と外装ケース間に規定以上の高電圧を印加し、絶縁破壊が生じないかを確認する試験です。
ヒューズは回路保護部品でありながら、端子や素子間で十分な絶縁性能を有している必要があります。耐電圧が不足すると、リーク電流や短絡、誤作動、さらには回路破壊や火災のリスクにつながる可能性があります。
本試験では、定格電圧の数倍の電圧を一定時間印加し、絶縁性能を確認することで、製造品質の安定性や設計マージンを評価します。特に車載用途では、過渡電圧や高湿度、温度変化などの過酷な環境条件を考慮し、長期信頼性を担保するための重要試験です。
試験の目的
・ヒューズ端子間および素子・ケース間の絶縁破壊耐性を確認する。
・過電圧・環境ストレス時の安全性・信頼性を評価する。
・設計マージンや製造品質の安定性を確認する。

試験方法
1,高電圧印加中のリーク電流を測定
2,絶縁破壊やスパーク、リーク増加が発生しないことを確認
3,必要に応じて温湿度試験後に再測定し、環境依存性を評価

対応する代表的な規格
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
ISO 8820 | 自動車用電気ヒューズの安全規格 |
JASO D610 | 車載用ヒューズの性能試験 |
試験条件例
・印加電圧:AC1000(規格または仕様に準拠)
・印加時間:1分〜5分(規格または仕様に準拠)
・測定箇所:端子間、素子とケース間
・環境条件:常温または規定温湿度環境
comqudaの強み
・30年以上の経験に基づく柔軟な試験提案
・標準規格準拠からカスタム条件まで対応
・不具合解析・コンサルティングも一体で提供可能
・他社試験機関のハンドリングも対応し、面倒な作業ごともワンストップでサポート
よくある質問(FAQ)
耐電圧試験はなぜ必要ですか?
ヒューズは過電流時に回路を遮断する部品ですが、端子や素子間の絶縁が不十分だと、リークや誤作動、最悪の場合は火災につながる可能性があります。耐電圧試験では、設計マージンと製造品質の安定性を確認することで、安全性と信頼性を確保します。
試験中に注意すべき安全ポイントは?
高電圧を扱うため、試験中は直接触れない、絶縁保護具を使用する、試験機のアース接続を確認するなどの安全対策が必要です。また、短絡やリークによる火花・破損に備え、防護カバーや遠隔操作が推奨されます。
環境条件は試験結果にどの程度影響しますか?
高湿度や低温・高温など環境によってリーク電流や絶縁性能が変化することがあります。
耐電圧試験結果の安定性評価や長期信頼性評価のため、環境変化の影響を確認することが重要です。
受託・委託試験サービス
comquda(コンクーダ)ではサンプル組立から、耐久性試験や各種評価・測定項目の信頼性試験の
受託評価依頼、試験条件・試験方法のコンサルティングまでご対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
信頼性試験・評価のご相談・お見積り
信頼性評価でお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせ・ご依頼ください。
経験豊富な技術者がお客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。