4端子法と2端子法とは? ~車載コネクタ信頼性試験における抵抗測定~
概要
コネクタ・端子圧着部の信頼性評価では、接触抵抗の測定が重要な指標となります。
接触抵抗が高いと温度上昇や電圧降下につながり、発熱・劣化・最悪の場合は焼損に至るためです。
この接触抵抗を測定する代表的な方法が 4端子法(ケルビン法) と 2端子法 です。
抵抗測定において基礎知識ではありますが、内容が理解できていない作業者は意外と多く見受けられます。
2端子と4端子法の違いについての理解がない場合の抵抗値は信用できないと言っていいほど、重要です。
4端子法
《 測定原理 》
・電流供給用の端子(電流リード)と電圧検出用の端子(電圧リード)を分けて接続する方法
・電流によるリード抵抗や接触抵抗の影響を排除し、純粋な接触抵抗値を高精度に測定可能
《 特徴 》
・高精度・高再現性
・微小抵抗(mΩオーダー)の測定に最適
・信頼性評価や規格試験で推奨される方法

《 活用例 》
・車載コネクタの温度上昇試験
・長期耐久評価(振動、温湿度サイクル後の抵抗測定)
・JASO、LV214、USCARなど規格試験
2端子法
《 測定原理 》
・電流と電圧の入出力を同じ端子から行う方法
・測定値にはリード線や接続部の抵抗も含まれる
《 特徴 》
・測定系がシンプル、工数や治具が少なくて済む
・実際の通電条件に近い総合的な抵抗を評価できる
・ただし、リード線抵抗や治具接触の影響で誤差が大きい
《 活用例 》
・厳密な抵抗値よりも「異常有無」の確認
・量産ラインでの簡易検査
・設計段階の目安測定
比較表
項目 | 4端子法 | 2端子法 |
---|---|---|
測定精度 | 高精度(mΩ単位まで測定) | 誤差大きい(リード抵抗含む) |
測定対象 | 信頼性試験、規格試験 | 簡易検査、工程内確認 |
特徴 | 接触抵抗のみを正確に測定 | 実使用に近い総抵抗を測定 |
コスト・工数 | 高い(専用治具や配線が必要) | 低い(簡便で迅速) |
よくある質問(FAQ)
測定する際の温度影響はどのくらい重要ですか?
抵抗値は温度に依存するため、測定環境の温度を一定に保つことが精度向上に不可欠です。
特に微小抵抗を扱う4端子法では、数℃の変化でも測定値に影響することがあります。
複数接点があるコネクタでは測定はどう行うのがよいですか?
各接点ごとに個別測定することが基本です。信頼性評価では接点間のばらつきや最大値を確認し、異常がないか確認することが重要です。
抵抗測定時に振動や衝撃の影響はありますか?
コネクタの接触状態が不安定になるため、特に微小抵抗測定では測定値が変動する可能性があります。
測定環境は安定させ、可能であれば振動や外力の影響を排除してください。
まとめ・お問い合わせ
・4端子法は「正確に接触抵抗を測りたい場合」に必須
・2端子法は「現場で手早く異常を検出したい場合」に有効
評価目的に応じて両者を使い分けることが、コネクタ信頼性評価において重要です。
当社では4端子法を理解し、応用力をもって実際の評価試験に活かして信頼性評価を実施いたします。
【 参考:コネクタ評価サービス
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電気的性能試験:抵抗測定、絶縁抵抗、耐電圧測定、リーク電流、瞬断測定、シールド性能
機械的性能試験:外観確認、コネクタ挿入力/離脱力/保持力、端子挿入/保持力、ロック解除力、シール性
耐久試験 :高/低温放置、サーマルショック、耐湿試験、温湿度サイクル、塩水噴霧、腐食サイクル(CCT)
高圧洗浄、振動試験、複合環境試験、ランダム振動試験、カレントサイクル、過電流通電試験
耐候性試験、耐油/耐薬品性試験、熱衝撃試験、衝撃試験 など
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