アルミハーネスとは? ~車載アルミハーネスの特徴~
概要
アルミハーネスは、従来の銅線ハーネスに代わり、導体にアルミニウムを使用した車載ワイヤーハーネスです。
銅線に比べて軽量であり、EVやHEVの車両軽量化・燃費向上に大きく貢献します。
例えると、アルミハーネスは「軽量で柔軟な血管」のように、車両内で電力や信号を効率的に届けつつ、全体の負荷を軽減する役割を持ちます。

アルミハーネスは軽量化や省スペース化のメリットが大きい一方で、
導電率・機械的性質・接続性・評価・生産コストの課題により、
普及にはハードルがあることも事実です。
アルミーハーネスの特徴
・軽量化 :車両全体の重量削減に寄与
・導体抵抗管理:アルミは銅より導電率が低いため、電圧降下を考慮した設計が必要
・長距離配線に有効:車両フロアやEV高電圧系統に有効
・耐環境性 :酸化防止処理や保護被覆で信頼性を確保
課題
新たな技術や改善によって解決されている課題もありますが、銅電線と比較しての課題を記載します。
1. 導電率の低さと電圧降下
アルミは銅に比べ導電率が約60%程度しかないため、同じ電流を流す場合は断面積を大きくする必要があります。
・結果として、配線の太さや端子形状の最適化が必須
・長距離配線や高電流回路では電圧降下の影響が顕著
2.機械的性質の課題
・アルミは銅より柔らかく、引張・曲げ強度が低い
・配線加工時や振動環境下で断線・接触不良のリスクが高まる
・特に端子圧着部や接続部での接触安定性が課題
3.接続・圧着・溶着の難易度
・アルミと銅の異種接続では酸化が起きやすく、接触抵抗の上昇や過熱の原因に
・専用の圧着工具や端子形状が必要で、従来の銅ハーネスの生産設備では対応できない場合がある
4.信頼性評価・規格対応のハードル
・車載規格(LV214、USCARなど)で求められる長期信頼性や振動耐性の確認が必須
・アルミ特有の劣化や接触不良の評価が追加で必要
・評価や量産技術の確立が進むまでは、導入コストが高くなる
5.コスト面の課題
・材料コストは銅より安価だが、端子加工や特殊工具、検査工程が増えトータルコストが高くなる場合がある
・生産ラインの切り替えや設計最適化の初期投資が必要
信頼性評価の重要性
アルミハーネスは軽量化や省スペース化のメリットが大きい一方で、導電率・機械的性質・接続性・評価・生産コストの課題により、普及にはハードルがあります。
しかし、EV・HEVの軽量化ニーズが高まる中、専用設計や評価手法の確立によって、今後の採用拡大が期待されています。
当社ではアルミハーネスを使用したコネクタの評価についても、多様な信頼性評価ご対応可能です。
【 参考:コネクタ評価サービス
(メインページ) 】
電気的性能試験:抵抗測定、絶縁抵抗、耐電圧測定、リーク電流、瞬断測定、シールド性能
機械的性能試験:外観確認、コネクタ挿入力/離脱力/保持力、端子挿入/保持力、ロック解除力、シール性
耐久試験 :高/低温放置、サーマルショック、耐湿試験、温湿度サイクル、塩水噴霧、腐食サイクル(CCT)
高圧洗浄、振動試験、複合環境試験、ランダム振動試験、カレントサイクル、過電流通電試験
耐候性試験、耐油/耐薬品性試験、熱衝撃試験、衝撃試験 など
お問い合わせ
comquda(コンクーダ)では、耐久性試験や各種評価・測定項目の信頼性試験の
受託評価依頼、試験条件・試験方法のコンサルティングまでご対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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