FPC(フレキシブルプリント回路・基板)とは? ~車載FPCの特徴~
概要
FPC(Flexible Printed Circuit)は、薄く柔軟性のあるプリント基板で、車載機器や電子部品をコンパクトかつ柔軟に接続するために用いられます。フレキシブル基盤・フレキシブルプリント基板と呼ばれます。

従来のワイヤーハーネスと比較して、FPCは配線の自由度が高く、狭小スペースへの実装や複雑な形状の回路設計が可能です。そのため、車両の設計自由度を大幅に向上させることができます。
例えるなら、FPCは「細く柔らかい血管」のように、車体内部の狭い空間を通りながら電力や信号を各装置に届ける役割を果たします。柔軟性により曲げや折り返しが可能で、振動や衝撃が加わる車載環境でも安定した接続を維持できます。
主な役割
・信号伝達 :センサーや制御ユニット間の高速信号伝送
・電力供給 :小電流の回路に電力を安定供給
・スペース節約:狭小空間に柔軟に配置可能
・軽量化 :従来のハーネスに比べ軽量で省スペース
FPCの構成
・導体層 :銅箔や銀ペーストなど、回路パターンを形成
・絶縁層(基材) :ポリイミドフィルムなど柔軟性のある絶縁材料
・保護層(カバー):回路保護や耐摩耗性、耐環境性を確保
・接続端子 :ハーネスやコネクタへの接続部(圧着やはんだ接続)
特徴
・柔軟性 :曲げや折り返しに対応可能
・高密度実装:複雑な配線パターンを小型化
・軽量化・省スペース:車載EV・HEVでの設計最適化に有効
・耐環境性 :温度・湿度・振動に強い設計が可能
よくある質問(FAQ)
FPCはどのような車載用途で使われますか?
FPCは、狭小スペースや複雑形状の車内配線に最適です。例えば、インフォテインメント装置、センターコンソール周辺、ドア内配線、カメラやセンサー接続など、高密度かつ柔軟な配線が求められる箇所で使用されます。
FPCの耐久性はどう確保されていますか?
FPCはポリイミドなどの高耐熱材料や保護層を使用しており、温度変化や振動、衝撃、湿度などの車載環境に耐えられる設計が可能です。また、折り返し部分や曲げ部には応力分散設計を取り入れ、長期使用でも信頼性を維持します。
従来のワイヤーハーネスと比べたメリットは何ですか?
FPCは軽量・薄型で設計自由度が高く、配線経路を短縮できるため、部品点数の削減や車両全体の軽量化にも寄与します。さらに曲げや折り返しが容易で、振動や衝撃に強い接続を提供できます。
信頼性評価の重要性
FPCは、車載電子システムにおける「柔軟で高密度な配線手段」として重要な役割を担います。
ハーネスやコネクタと組み合わせて使用することで、狭小スペースでの信号・電力供給を効率化し、
車両全体の軽量化と信頼性向上に貢献します。
当社では振動試験、サーマルショック試験、抵抗測定など、多様な信頼性評価もご対応可能です。
FPC評価専用ページは作成中ですので参考にコネクタ評価サービスをご覧ください。
同様の耐久試験や評価項目が多く見受けられると思います。
【 参考:コネクタ評価サービス (メインページ) 】
電気的性能試験:抵抗測定、絶縁抵抗、耐電圧測定、リーク電流、瞬断測定、シールド性能
機械的性能試験:外観確認、コネクタ挿入力/離脱力/保持力、端子挿入/保持力、ロック解除力、シール性
耐久試験 :高/低温放置、サーマルショック、耐湿試験、温湿度サイクル、塩水噴霧、腐食サイクル(CCT)
高圧洗浄、振動試験、複合環境試験、ランダム振動試験、カレントサイクル、過電流通電試験
耐候性試験、耐油/耐薬品性試験、熱衝撃試験、衝撃試験 など
お問い合わせ
comquda(コンクーダ)では、耐久性試験や各種評価・測定項目の信頼性試験の
受託評価依頼、試験条件・試験方法のコンサルティングまでご対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
関連コンテンツ
溶断特性
絶縁抵抗測定
挿入・離脱力
信頼性試験・評価のご相談・お見積り
信頼性評価でお困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせ・ご依頼ください。
経験豊富な技術者がお客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。